研究代表者
釜野さおり
KAMANO SAORI
国立社会保障・人口問題研究所 人口動向研究部 第2室長
Ph.D.(社会学)
現在はこの調査の「母体」である、SOGIの人口学を主なテーマとして取り組みつつ、性的マイノリティを取り巻く環境が変化しつつある「今」の記録を残すため、SOGIにかんするデータ収集に力を入れています。同性間と異性間カップル世帯における関係性の調査、性的マイノリティについての意識調査、大学教員や小中学校・高校の教職員の意識調査、大学における施策調査などを進めています。
論文(分担執筆):「性的指向と性自認のあり方の人口学的研究:SOGIと人口学的属性」(『セクシュアリティの人口学』原書房, 2022)、「国勢調査と同性カップル世帯−排除と可視化のはざまで」(『クィア・スタディーズをひらく2』晃洋書房, 2022)など。
石田仁
ISHIDA HITOSHI
明治学院大学社会学部付属研究所 研究員
博士(社会学)
戦後日本社会と性的マイノリティの関係について研究をしています。そのために、戦後の古い雑誌記事を読んで分析したり、現代のアンケート調査の結果を集計したりしています。
主著:『はじめて学ぶLGBT:基礎からトレンドまで』(ナツメ社, 2019)、編著に『性同一性障害:ジェンダー・医療・特例法』(御茶の水書房, 2008)、共著:『図解雑学ジェンダー』(ナツメ社, 2005)『セクシュアリティの戦後史』(京都大学学術出版会, 2014)など。
岩本健良
IWAMOTO TAKEYOSHI
金沢大学人文学類 准教授
修士(行動科学)
専門は教育社会学、ジェンダー学。多様性に寛容で誰もが自身のあり方を生かせる社会のあり方、とくにLGBTQの人びとが学校や職場で置かれている環境とその改善について、調査・研究しています。
共著:『教育とLGBTIをつなぐ』(青弓社, 2017)、『ダイバーシティ時代の教育の原理』第2版(学文社, 2022)、『セクシュアリティの人口学』(原書房, 2022)など。
神谷悠介
KAMIYA YUSUKE
中央大学社会科学研究所 客員研究員
博士(社会学)
専門は家族社会学、ジェンダー・セクシュアリティ論。現在の研究テーマは、家族社会学における従来の理論的枠組みに対するオルタナティブ(代替モデル)の構築です。渋谷区パートナーシップ証明制度に関する同性カップルのインタビュー調査に参加しました。
著書は、男性同士のカップルの生活、仕事、親密性を考察した『ゲイカップルのワークライフバランス』(新曜社,2017)。
コーダイアナ
KHOR DIANA
法政大学グローバル教養学部 教授
Ph.D.(社会学)
現在は東アジア社会における同性カップルの法的保障をめぐる議論と同性カップルの関係性に関する研究をしています。
共編著: “Lesbians” in East Asia: Diversity, Identities and Resistance (Harrington Park Press、現Routledge、2006)、論文: Negotiating same-sex partnership in a ‘tolerant’ state” Journal of Gender Studies, 30(5), pp. 512-524(共著)など。
小山泰代
KOYAMA YASUYO
国立社会保障・人口問題研究所人口構造研究部 第3室長
博士(工学)
専門は都市地域計画学、人口学。社人研では「日本の世帯数の将来推計」「全国家庭動向調査」「世帯動態調査」などのプロジェクトにおいて、世帯や家族の構造と変化に関する調査研究をしています。
論文等:「平均世帯人員の減少要因の検討」『人口問題研究』76(3):293-310(2020)、「社会調査における高年齢層のSOGIの捉え方」(口頭発表)日本人口学会大会(2022)、「SOGIと家族環境との関連:無作為抽出調査による分析の一例として」(口頭発表)家族問題研究学会シンポジウム(2022)
三部倫子
SAMBE MICHIKO
奈良女子大学研究院人文科学系 准教授
博士(社会科学)
家族社会学を専門とし、これまでLGBTの家族関係の研究に取り組んできました。最近は、医療におけるLGBT/SOGIEの扱いや看護にも興味を持っています。子どもから親へのカミングアウト経験を分析した単著として『カミングアウトする親子ー同性愛と家族の社会学ー』(御茶の水書房, 2014)、医療系の研究として「家族看護学におけるLGBTと『家族』――総説・レビュー文献の検討から」『 日本保健医療社会学論集』33(1):88-99(2022、影山葉子と共著)があります。
申知燕
SHIN JIYEON
昭和女子大学人間社会学部現代教養学科 専任講師
博士(学術)
専門は移民研究、都市地理学。東アジア出身者の国際移住、とくに教育や性的指向を理由とした移住に関する研究を行っています。
論文:申 知燕(2018)「ニューヨーク大都市圏における韓人のトランスナショナルな移住 : 居住地選択およびコリアタウンとの関係を中心に」『地理学評論[Series A]』 第91巻第1号、1-23頁など。
武内今日子
TAKEUCHI KYOKO
東京大学大学院人文社会系研究科 博士後期課程
修士(社会学)
専門は社会学、ジェンダー・セクシュアリティ論。特にノンバイナリーやXジェンダーなどの非二元的なジェンダー・アイデンティティに着目して、カテゴリー形成の歴史や日常的な相互行為について研究しています。
論文:「未規定な性のカテゴリーによる自己定位――Xジェンダーをめぐる語りから」『社会学評論』72(4): 504-520(2022)、「『Xジェンダーであること』の自己呈示――親とパートナーへのカミングアウトをめぐる語りから」『ジェンダー研究』(24): 95-112(2021)など。
千年よしみ
CHITOSE YOSHIMI
国立社会保障・人口問題研究所国際関係部 第1室長
Ph.D.(社会人口学、農村社会学)
専門分野は、社会人口学(人口移動)。人口移動の社会的要因や、移民・移民第二世代の統合状況に関する研究に従事しています。人が移動を決める際の社会的背景の影響や、多様な背景を持つマイノリティの人々が、社会の一員として受け入れられていくためには何が必要か、ということに関心があります。
論文:「親・成人子との居住距離と支援関係―親からの住宅支援、支援ニーズ、父系規範に着目して―」『人口問題研究』77(4): 178-192 (2021)など.
平森大規
HIRAMORI DAIKI
法政大学グローバル教養学部 助教
Ph.D.(社会学)
専門は計量社会学、クィア・フェミニズム研究。特に、セクシュアリティ・ジェンダー階層論、性的指向・性自認の人口学に関する研究を行っています。
論文: “Asking about Sexual Orientation and Gender Identity in Social Surveys in Japan: Findings from the Osaka City Residents’ Survey and Related Preparatory Studies”(共著)Journal of Population Problems 76(4):443–466(2020)、“Sexuality Stratification in Contemporary Japan: A Study in Sociology”(単著)Ph.D. dissertation, Department of Sociology, University of Washington(2022)など。
藤井ひろみ
FUJII HIROMI
大手前大学国際看護学部 教授
博士(看護学)
専門分野は女性看護学、助産学、性科学、ジェンダースタディーズ、クィアスタディーズ。
著書:「レズビアンヘルスと看護研究」晃洋書房(2020)、論文:「Transgender Student Achievement and Their Experience in Nursing Education: A Case Report」『JIGN』1: 1-9,(2021) など。
布施香奈
FUSE KANA
国立社会保障・人口問題研究所情報調査分析部 第3室長
Ph.D.(社会学)
社会人口学、社会調査を専門としています。これまで国内外にて、家族関係、出産・育児関係、公衆衛生などに関する大規模な社会調査の設計と実施に幅広く携わってきました。子どもの性別選好に関心があり、国内外の性別選好の実態について、複数の論文を発表しています。平成26年度京都府・少子化要因若者実態調査検討会委員。
論文: “Daughter preference in Japan: A reflection of gender role attitudes?” Demographic Research 28: 1021-1052(2013)(単著)、“Gender and Parenting Difficulty of the First-Born: Implications for Parity Progression among Japanese Couples.” Journal of Comparative Family Studies 50: 116-138(2019)(単著)など。
山内昌和
YAMAUCHI MASAKAZU
早稲田大学 教授
博士(学術)
専門分野は人文地理学、人口学、漁業経済学。前職の国立社会保障・人口問題研究所で「全国家庭動向調査」や「日本の地域別将来推計人口」などに関わってきました。現在は、地理学の立場から、主に人口や家族に関することを研究しています。
共編著:『地域社会の将来人口: 地域人口推計の基礎から応用まで』(東京大学出版会、2020)論文:「大阪市における性的マイノリティの空間分布」『人口問題研究』77(2): 188-205(2021)など。
吉仲崇
YOSHINAKA TAKASHI
会社員
博士(学術)
社会学の視点から、「男性」の外見身体とジェンダーアイデンティティの関係を専門にしています。会社員になってからは論文が書けていませんが、「『男女のあり方と社会意識』研究グループ」のメンバーであり、調査系の研究を続けています。
関連して、非研究職の会社員がアカデミックに所属せずにサステイナブルに研究を続ける方法を模索しています。